地盤調査、標準貫入試験作業風景の紹介

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カードの画像

今回は、地盤調査の一環として標準貫入試験を実施しましたので、その詳細な様子をお伝えします。この試験は、地盤の強度や性質を評価するために欠かせない重要なプロセスです。

ボーリング調査作業について

まずは、こちらの写真をご覧ください。これは、ボーリング(試錐)作業の一部で、ケーシングを挿入している場面です。掘削作業を行う際には、孔壁を保護するための鋼管を圧入します。この鋼管は「ロッド」と呼ばれ、掘削の際に重要な役割を果たします。

ロッドとボーリング作業の概要

ロッドは中空の鋼管で、内部にボーリング用水を通すことができます。ボーリング用水には、ベントナイトという粘土を混ぜた水を使用します。ベントナイトは高い粘着性や吸水性を持ち、掘削作業を円滑に進めるために不可欠です。

写真に写っているロッドは3メートルの長さで、重量は約20キログラムもあります。このロッドを使用して地面を掘削していきます。ロッドの先端には「ビット」と呼ばれる部品が取り付けられており、このビットを通してボーリング用水が供給され、地面を掘削します。

標準貫入試験の実施方法

写真は、標準貫入試験の実施風景を捉えています。標準貫入試験は、地盤の強度を評価するために行われる試験です。具体的には、写真中央に見える質量63.5キログラムの鉄の塊「ハンマー」を使用します。このハンマーを76センチメートルの高さから自由落下させ、サンプラーと呼ばれる部位を30センチメートル貫入させるのに要した打撃回数を記録します。

試験は、原則として深さ1メートルごとに行います。そのため、掘削と標準貫入試験を繰り返しながら必要な深度まで進めていきます。このプロセスは以下のように進行します:

1メートル掘削 > 標準貫入試験の実施 > 再び1メートル掘削 > 再度標準貫入試験の実施

このように、掘削と貫入試験を交互に繰り返すことで、深度ごとの地盤強度を詳細に測定します。掘削と貫入試験の度に、先端のビットとサンプラーを交互に交換するため、ロッドの上下運動や組み立て・分解が頻繁に行われ、非常に忙しい作業となります。

標準貫入試験の重要性

標準貫入試験は、地盤の強度や安定性を評価するために非常に重要です。この試験結果は、建築物の設計や施工計画に直接影響を与えるため、正確なデータが求められます。試験結果に基づいて、地盤改良の必要性や基礎構造の設計が行われます。

最後に

今回の標準貫入試験では、掘削と試験を繰り返しながら地盤の性質を詳細に把握することができました。重たいロッドやハンマーを扱いながら、慎重に作業を進めることで、正確な試験結果を得ることができました。今後も、精度の高い試験を行い、より信頼性の高い地盤調査を提供してまいります。

このブログを通じて、標準貫入試験の重要性や実施方法について少しでも理解を深めていただければ幸いです。今後も技術力の向上を目指し、地盤調査の品質を高めていく所存です。